「O嬢の物語」。タイトルがかなり異質である。内容もそれ以上に異質だ。
そして、観る価値はかなりある。約50年前の映画だが、逆にその古さが映画に輝きを増させているようにすら思えるのだ。
1 普通に「R15+」指定
この映画は、普通にR15+指定である。
ぼかしも入りまくりだ。淫らさに関しては十分すぎる。
ただし、決定的に残酷なシーン自体は無い。それがR18+指定になっていない要因なのかもしれない。
したがって、R18+指定にまでなっていない作品ではあるが、成人度を十分に楽しめる作品といえるだろう。
2 タイトルについて
英語やフランス語ならすっと腹落ちするタイトルなのだろうか?日本語表記だと異質である。
しかし、このタイトルでなければならない。
なぜなら主人公の名前が本当に「O」だからである。
劇中で彼女は「O」と普通に呼ばれているのだ。
3 時代感覚
この映画が製作・上映された1975年と言えば2021年現在からすると、46年前になる。約50年前か。
古いはずなのだが、不思議に古さを感じさせない。
時代背景も何もなく、ひたすらに男と女、女と女の情愛と服従関係を追及しているがために、時代感覚が消えてしまっているのだ。
4 「物語」であるということについて
ネタばれも何もなく、「O嬢の物語」がどういう物語であるのか、ここでは説明が難しい。
ストーリーがあってないようなものだからである。
ひたすらに淫猥なのである。
しかし、そこに感情のもつれは無い。
ひたすらにソフトに絡み合うのだ。
感情が激高しないのだ。
私が視聴していて不思議だったのが、そこかもしれない。
しかし、舞台背景が超大金持ちによる道楽としてのプレイからが発端であり結末でもあるので、怒りや悲しみ、嫉妬などの感情は無縁で良いのかもしれない。
5 まとめ
不思議な作品である。
但し、強調したいのは登場する女優たちが恐ろしく美しいのだ。
そして彼女らは現在存命であれば70歳を超えるはずである。
人が輝く時期と言うのはそんなに長くはないと思う。
この映画を鑑賞して、50年前の美しい女優陣を堪能できる作品を残してくれた監督及び製作陣に感謝である。