登場する俳優は極めて少ない。
津田寛治氏演じる雑誌編集長を取り巻くスタッフが若干いるものの、
基本は、津田寛治、中村優子そして嘉門洋子の3人だ。
パッと見、津田氏は少し神経質そうな印象だし、数多く出演してきた
ドラマでも決して明るい役柄ではなかったと思う。
この作品でも、主演であることからハリのある演技ではあるが、
津田氏特有の陰のある表情がついてまわるのだ。
しかし。
そういった、普段、地上波ドラマでは見られないのが劇場映画
だからこそのシーンである。
謎の女を演じる嘉門洋子との激しい濡れ場が、僕を引き付けた。
動画開始から何時何分で濡れ場が始まるのか自然に覚えるくらいに
視聴してしまったではないか。
当初、誤解していたのは嘉門洋子が特有の淫らな空気を身にまとい
津田氏を翻弄しているかと思っていた。
違うのだ。
嘉門洋子のAmazonPrimeの他の作品群と見比べるとわかる。
嘉門洋子は、比較的さっぱりとした明るい空気で演技をすることが
多く、演技も棒読み一歩手前の水準である。
しかし、津田氏の手にかかると、嘉門洋子の棒読みもミステリアスに
聞こえてくるし、翻弄されている体での津田氏の全力性行為により
嘉門洋子は輝いているのだ。
この映画での残念なのは妻役の中村優子さんがプールで泳ぐシーンに
留まっていることである。
彼女は映画「ストロベリーショートケイクス」で、デリヘルで密かに
アルバイトをするアラサー女子を熱演しており、わき役とは言えない
存在感を発していた。
いずれにしても、津田寛治氏からは目を離せない。
彼と相対する俳優は、皆、輝いてしまうのだ。